はいず 5 えらんど日記とTRPGとWCCFに三国志大戦のブログ
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N◎VAのはしりがき その6
まだ空邪が千早の苗字を持っていたころ。
クッキーの缶を放そうとしない空邪に見かねた姉が言った。 「空邪、あまりクッキーばかり食べてるとご飯が食べられなくなるわよ。こっちにわたしなさい」 そう言ってクッキーの缶をとりあげようとするしたが空邪はがんとしてクッキーの缶を放さなかった。 姉の言うことなら素直に聞く空邪にしては珍しく反抗したのだ。 「空邪、お姉ちゃんのいうことが聞けない?」 腰に手を当ていかにも怒ってるのよと態度で示す。 空邪はいやいやと子供のように首を振り言った。 「食い物、渡すと食べられる。それはいや」 スラム街の過酷な環境で染み付いたものだった。 食い物がいつもあるとは限らないスラム街で暮らしていた空邪にとって食べ物を誰かに渡すということは、考えられないことなのだ。 今日、持ってる食べ物が明日もまた得られるとは限らない。 それだけに食べ物への執着が強い。 一度、得た食べ物を渡そうとはしない。 強引に奪おうとしたなら抵抗するという気配がありありと伝わってくる。 生死を分かつのだから当然といってもいい。 「じゃあ、空邪。それを渡してくれたら毎日、朝に3枚、夜に4枚、クッキーをあげるわ。 どう?」 空邪は、いやいやと首を振った。 姉は、しばらく考え込み再び言った。 「じゃあ、朝に4枚、夜に3枚ならどう?」 「・・・・それならいい」 そういうと空邪は、クッキーの缶を姉に差し出した。 クッキーの缶を受け取ると姉は空邪の頭を撫でた。 空邪は、大人しくされるがままにしていた。 「でもまさか故事どおりになるなんてね」 「ねーちゃん、故事ってなんだ?食えるのか?」 「いいえ、何でもないわ。そうだ、空邪。お昼ご飯は何が食べたい?」 「肉!」 「じゃ、ハンバーグでも作りましょうか。空邪、いらっしゃい」 キッチンに向かう姉の後ろを空邪は子犬のようについていった。 スポンサーサイト
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