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はいず 5 えらんど

日記とTRPGとWCCFに三国志大戦のブログ
 
 
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子供の御使い

Author:子供の御使い
子供の御使いと書いてこどものおつかいと読みます。趣味は、読書、ゲーム、TRPG、サッカー観戦、プロレス観戦、映画鑑賞。面白いものに飛びつくとずるずるとはまる性質の持ち主。

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N◎VAのはしりがき その12 

「いやー ナカノさん。ついにこの日がやってきましたねぇ」
「吉貝さん。女房を質に入れてもこれは見ないといけませんねぇ。
バイパーズストリート 最大のワンディトーナメント キングオブバイパーズの開催です」
「ワンディトーナメント ルールは、以下のようになっております」

1:火器、爆発物の使用は禁止
2:相手に効果を及ぼす薬物の使用は禁止
3:時間は、無制限。決着は、KO、ドクターストップ、ギブアップによるものとする
 
「このルールは、どうですか。ナカノさん」
「我々は、すごい技の応酬を見たいわけですからいきなり撃ち合いをされてもそんものは毎日のニュースで見飽きてますし一発殴って神経毒でバタンキューでもまったく面白くありません
派手な技の応酬がみたいわけですよ」
「それなら火器、爆発物の禁止とは今さら書かなくてもいいような気がしますが」
「試合前にそんなことは明言されてなかったと言って相手の足元に対戦車地雷を仕掛けて開始と同時に相手を吹き飛ばした例が過去にありますからねぇ
それを見てブチぎれた観客達が暴動を起こしブラックハウンドが出動して鎮圧されるという大騒ぎになりました
ルールの隙間をつかれないようにということでしょう」
「ドクターストップがありとは意外な気がしますが」
「ぶっちゃけ人気の選手が死ぬとその分、賭けの対象が少なくなって胴元のもうけがなくなりますからね。ありでしょう」
「おっとそろそろ選手入場の時間です
この放送は、PPVでウェブを通じて全世界に放送されております」

キングオブバイパーズ!選手入場!

『相手の全てを受け止めその上をゆく!
キングコングが今日も王道を突き進む!
リアル・プロレスラー!
“キングコング”フレッド・バーグ!』

「優勝の大本命と目されています。“キングコング”フレッドバーグです」
相手の攻撃を全て受け止めその上で相手を叩き潰すというファイトスタイルが特徴ですがどうですが、ナカノさん」
「タフであるということはこのワンディトーナメントでは有利です。
またプロレスラーならでは技の破壊力、想像力は素晴らしいものがあります。
特にストリートファイトならではのこの環境、プロレスラーの彼には利用できるものが豊富にあるのも有利でしょう」

『虎穴に入らずんば虎児を得ず!
だがその虎児が噛み付いてくるなど誰が予想しただろうかっ!
超天然野生児!
“虎児”空邪』

「この中では一番、若い・・・というよりまだ子供といってさしつかえないでしょう」
「噛みつきにサイバークローによる攻撃が特徴でまさに虎の子のようです
「噛みつきが目立ちますが色々と使い分けているですね
首に噛みつきそのまま噛み付いたままじっくり相手のスタミナを奪い弱らせてしとめるやり方。
噛み付いたまま自分の体を回転させて噛み千切る力を大きくさせたりとその咬合力はあなどれません」
「一度噛み付いたら生半可なことでは外しませんからね
ですが弱点も目立ちます
打たれ強さは、あるものの防御の技術というものがまったくありません
あとモチベーションの低さも気になります」
「といいますと?」
「彼は、ここに金が欲しいとか強さを確かめたいとかではなくただ単に遊びに来てるだけなんですよ。
つまり満足したらそこでそのまま帰るとか組み合わせを聴いた瞬間、つまらないと言って帰るとかもありえますね」
「まさに子供ですね」

『一番強いのが“最強”じゃない!
"常に最新鋭”こそ最強の証だッ!
“戦う開発者”ヘンリー・ハンク・ホウジョウ
今日も戦いの最中にアップグレードだ!』

「この中では異彩を放つ存在です ヘンリー・ハンク・ホウジョウ」
「タタラ街でサイバーウェポン、サイバーウェアを開発するタタラです。
こうして自分で実戦で使用し自分の作ったものがいかにすごいかということを戦闘証明してるんです。
彼が戦った後には、彼の店の売り上げが跳ね上がるという噂です。
そしてそれをまた開発費にしまた強くなるという見事なスパイラルが出来上がってます」
「そのほかの特徴というと」
「やはり戦闘中に見つかった弱点や改良点を即座に装備に反映させるというその超高速改造術です
常に最新鋭が彼のモットーです」
「マッドすぎますね」

『弾がなかった
銃がなかった
武器がなかった
己の体しかなかった
しょうがねぇから生身で戦車をぶっ壊したッッ!
“88”ペーター・アルバート・カーン』

「各地の紛争を渡り歩いた歴戦の傭兵 ペーター・アルバート・カーンです。」
「ある紛争で補給を全て断たれ部隊が孤立。そこに敵部隊が襲来。
孤立無援、補給すらない絶体絶命の状況で彼は生身で戦車に挑み破壊し部隊の殿を務めという話です」
「生身で戦車に挑み破壊するとはどうやったのでしょうか?」
「傭兵内の噂ではキャタピラにタックルをしかけ転がしたあとマウントポジションをとり戦車の裏側からパウンドを浴びせ叩き潰したとか」
「事実だとしたらとんでもないですね・・・」


『ここが俺のハローワーク!
元企業工作員の就職活動が始まる!
"ローニン” 辻 キリト
就職先はまだ決まらないのかッッ!』

「今は潰れてしまった某企業のクグツではないかという噂に事欠きません 辻 キリト」
「勝つためにどんな手段も使う、まさに洗練されたプロの仕事を行う仕事人です」
「目の肥えた玄人には対戦相手が一週間前に決まればどんな相手でも彼なら勝てるというのが定説です」
「対戦相手が決まった瞬間から彼の妨害工作が始まりベストの状況では決して相手を自分の目の間に立たせることがないというのがその定説の由来です。
そしてクグツらしくその妨害工作が自分がやったという証拠は一切残しません」
「今回は、ワンディ・トーナメントのため対戦相手は、直前までわかりません。
得意の妨害工作を使えないようですがどうでしょうか?」
「決して実戦も弱いわけではありません。
より確実に勝つための妨害工作なわけですから問題はないでしょう。
ここで実力を見せつけクライアントを探しているわけですから覚悟が違います。
明日の生活がかかっているわけですから」
「なぜか身につまされます」


『タイラント殺しの超実践派空手!
"暴虐流空手師範代”エージ・ツラヤバ
はるばるオーサカM○●Nから参上だッッ!』

「オーサカM○●Nから初出場のエージ・ツラヤバ選手で。
実力は未知数ですがいきなりのワンディトーナメントに登場です」
「暴虐流空手は、災厄前から伝わる実戦派空手です。
開祖は、『我が流派、人類に敵なし!』を宣言しライオン、クマ、トラ、ゴリラ、象といった野生動物を相手に通じる空手を研鑽、継承されてきました。
災厄後からは、オーサカM○●Nにわたりヒルコ相手に研鑽を積み上げてきました。
ヒルコ100人組み手に代表される荒行でも有名です
黒帯になるには一人で汚染区域に出かけタイラントを倒すことが求められます」
「しかし人類に敵なしを宣言したのにこのトーナメントに参加した理由はなんでしょう?」
「地上最強の称号が人間同士の戦いでしか得られないので仕方なくというのが理由でその第一歩とということでこのトーナメントを選んだそうです」
「常人には理解しがたい理由な気がするのはその流派の伝来ゆえでしょうか?」

『竜巻警報発令ッ!
ルチャ・リブレ(自由な戦い)の名の下に今日も竜巻が吹き荒れる!
"F5”エル・トルベジーノ!』

「“キングコング”フレッド・バーグに次いでプロレスラーの登場です エル・トルベジーノ」
「フレッド・バーグが正統派のヘビー級プロレスラーならエル・トルベジーノは、飛び技、空中戦といった軽快な技を得意とするジュニア・ヘビー級のプロレスラーです」
「ロープもコーナーもないこのストリートで飛び技ができるのかという疑問がありますが」
「コーナーからの落下を生かした技という点なら事欠きません
なにせストリートですから建物の屋上から飛び下りれば高さ、速度ともに十分です
また彼はルチャの飛び技の他にもルチャ・リブレ・クラシカというメキシコ独特の間接技、ジャベの使い手でもあります
相手に触れた瞬間、高速で間接をねじりあげ破壊するする様は、まさに竜巻に巻き込まれたようです
常人の目には何が起こったかすらわかりません
繰り出す技一つ一つが派手で見栄えがするため華があり人気の選手ですね」
「今日もF5クラスの竜巻が吹き荒れるか注目です」

ニュートンは、リンゴが落ちるのを見て引力を発見した。
私は、敵を投げて引力を実感した
武道と物理の危険な合体!
柔よく剛を制す 最新のニューロエイジ・柔道!!
"万有引力柔道黒帯”西園寺 慶
私を倒したければニュートン力学を理解してこい!!

「崩しの奥義に万有引力の物理理論を加えた最新の柔道ということですが」
「リンゴが落ちるのは引力があるから
人類は、すべて重力の井戸の底に住まう人間でありそこから逃れることができない
つまり重力こそ支配の源でありその力をものにしたものこそ全ての支配できる 
すなわち支配者でありその力を武に生かしたならばその者は、最強と呼ぶにふさわしいというのが彼の持論です」
「今までの選手とは違い何か哲学的なものすら感じさせますね」
「要約すると投げ技に引力を利用できたなら自分の力に引力を加えることができるというのが彼の柔道だそうです
理論の研究が進み最近は、間接技や当身にも引力の応用がきくようになったとか」
「凡人には、まったくわからない世界です」

「さぁ! 全選手が出そろいいよいよ組み合わせ発表です!」
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N◎VAのはしりがき その11 

キング・オブ・バイパーズ  出場するのはこいつらだッ!

「相手の全てを受け止めその上をゆく!
キングコングが今日も王道を突き進む!
リアル・プロレスラー!
“キングコング”フレッド・バーグ”

「虎穴に入らずんば虎児を得ず!
だがその虎児が噛み付いてくるなど誰が予想しただろうかっ!
超天然野生児!
“虎児”空邪」

「一番強いのが“最強”じゃない!
"常に最新鋭”こそ最強の証だッ!
“戦う開発者”ヘンリー・ハンク・ホウジョウ
今日も戦いの最中にアップグレードだ!」

「弾がなかった
銃がなかった
武器がなかった
己の体しかなかった
しょうがねぇから生身で戦車をぶっ壊したッッ!
“88”ペーター・アルバート・カーン」

「ここが俺のハローワーク!
元企業工作員の就職活動が始まる!
"ローニン” 辻 キリト
就職先はまだ決まらないのかッッ!」

「タイラント殺しの超実践派空手!
"暴虐流空手師範代”エージ・ツラヤバ
はるばるオーサカから参上だッッ!」

「竜巻警報発令ッ!
ルチャ・リブレ(自由な戦い)の名の下に今日も竜巻が吹き荒れる!
"ラテンの熱風”エル・トルベジーノ!」

N◎VAのはしりがき その10 

空邪の一日は、早い。
朝日が昇るころには、眼を覚ます。
寝るところは、日によって違う。
廃ビルの屋上で大の字で寝ることもあれば路地の奥で猫のように丸まって寝ているときもある。
義兄や義姉に会いたくなれば千早アーコロージーに行きそのまま義兄や義姉の家で寝ていくときもある。
特にどこかに定住するという意識がない。
食べ物(といっても主に残飯だが)が手に入りやすい(奪いやすいともいえるだろう)というだけでスラム街にいるがもっと住みやすい所が見つかればそこに住処を変えるだろう。
といっても今のところ、空邪にとってスラム街が一番、住みやすいところである。
今日の空邪は、廃材が積み上げられた中で眠っていた。
廃材の間から光が差し込んだのを感じると眼を覚ました。
ちょうど廃材が組み合わさり人が中でうずくまれるくらいのスペースで胎児のように丸まって眠っていたのだ。
眼を覚ますと廃材の中を器用に這い回り外にでた。
そこで両腕を天に突き上げ大きく伸びをする。
あのような場所でもぐっすりと眠っていたのだ。
「めし、何にするかな」
そう言うと猿が歩くように両手を地に付けて歩き出す。
その動きにぎこちなさはまったくなく自然な歩みだ。
「ん~。あそこにするか」
脳裏に閃いた腹ごしらえできる場所に向かう。
通りにでると人とすれ違うが四足で歩く空邪を奇異の眼で見る人はいない。
そんな余裕を持ち合わせるほどここは豊かではないのだ。
このスラム街は、誰もが生きるためにギリギリの毎日を過ごしている。
足を踏み外せばそこに待っているのは一巻の終わり。
空邪は、バーの裏に回りそこに置いてあるゴミ箱を開ける。
ごそごそとゴミ箱を漁り食べられそうなものを探し出す。
誰かが漁ったのかめぼしいものが見当たらない。
だがそれでも空邪は、いくらかの収穫を得た。
残されたフライドチキンの骨がそれだった。
常人なら見向きもしないものだが空邪は、うれしそうにそれを手に取った。
そしてあーんと大きな口をあけるとバリバリと噛み砕いていった。
空邪には、特に好き嫌いがない。
生きるためなら食べられそうなものは何でも食べる。
生きるためなら泥水すら飲む。
生きる、生き抜くという強さがかつて空邪に千早の苗字を与えられた理由だ。
空腹を満たし空邪は、再びスラム街を歩く。
目的は、特にない。
ぶらぶらと歩くだけだ。
人間というよりは、獣の生活に近い。
食うものさえ手に入れば後は、自由なのだ。
ぶらぶらとただただ歩く。
ふっと空邪が足を止めた。
犬のお座りのような体勢になると天を仰ぐ。
眼を閉じ鼻をひくひくと動かす。
周囲の音に耳をすます。
空邪は、人を見る時に視覚だけに頼らない。
特に親しい人間については、顔や声以外に匂いや足音のリズムまで覚えている。
足音のリズムが、匂いが、ある人間が近くにいるということを教えてくれた。
「ねーちゃん?ねーちゃん!」
空邪は、獲物に追いかける猛虎のように走り出した。

N◎VAのはしりがき その9  

シャンデリアが輝く大広間。
ソファには向かいあって二人の男が座っている。
一人は、太った中年の男。
手には、今では、珍しくなった天然の葉巻。
これ一本で1ゴールドは軽くするであろうというものだ。
もう一人は、痩せた青年。
着崩れた黒のスーツに首には、だらしなく緩んだネクタイを身につけている。
「サルバトーレ・マルディーニ。君は、何を言っているのか、私にはわからないな」
「つまるところあなたが掟を破ったのではないかと言っているのです」
中年の男が怒気を露にし立ち上がる。
「この私に向かって掟を破ったというのか!何の証拠があってそのようなことを」
サルバトーレと呼ばれた青年がスーツの内ポケットから写真を取り出し机の上を滑らせ中年の男の元に送る。
男が写真を手に取ったのを見てサルバトーレは、口を開いた。
「あなたの部下がやっていたことを写真に収めました。
おっと、部下が勝手にやったことなどという言い訳は通用しない。
部下達はあなたの指示でやったという言質も抑えてある」
写真を取った男の手がわなわなと震える。
写真を投げ捨てるとその代わりというように懐からカードを二枚取りだしサルバトーレの元に投げる。
2プラチナム。普通のサラリーマンが楽に一年暮らしていける金額だ。
「これは?」
「取っておきたまえ。その代わり分かっているな。」
「どういう意味かわかりませんね」
「分かるだろう!ドンには、このことを伝わないようにしてくれたまえ」
「ああ、なるほど。わかりました」
そういうとサルバトーレは、2プラチナムをポケットに突っ込む。
「この件は、私は、何も知りません。以後のことも何も関係ありません。そういうことですね」
「そうだ。何もなかったのだ」
「では私は、これで」
そういうとサルバトーレは、立ち上がり部屋から出て行った。
屋敷を出てからサルバトーレは、内ポケットから煙草を取り出しライターで火をつける。
紫煙を吐き出し空を見上げ呟いた。
「馬鹿だな、あんた。掟を金で買えると思ったのか。
ドル札の数えすぎでもうろくしちまったようだな」
数日後、中年の男は、死んだ。
賞金稼ぎに狙われたのだ。
かけられた賞金は、2プラチナムだった。

N◎VAのはしりがき その8 

会議室内には、3人の男性と3人の女性がいる。
千早重工後方処理課 課長 早川 美沙。
副課長 エリック・ウェイン。
課長補佐 日向 ひより。
第一班 班長 イェーガー。
第二班 班長 御堂 碧。
第三班 班長 ミューズ。
この六名だ。
「以上で本日の襲撃事件の報告となります」
そう告げるとひよりは、課長である美沙の方を見る。
早川 美沙が頷くとひよりは、着席する。
それを見届けて美沙が口を開く。
「これで後方処理課の拠点が今月に入り立て続けに三つ潰された。
この非常事態にどう対処すべきかというのが今回の会議の主題です」
三班 班長 ミューズが手を挙げた。
「まず予想される敵の情報が知りたい。
対処の方法はそれからでしょう」
「残念ながら襲撃犯の映像は何も残っていないわ。
襲撃の前後の十分間、拠点内の監視カメラはいうに及ばず半径一キロ以内のカメラは、全てハッキングを受けまっ白にされていた。
襲撃にあわせてEMPもしくは、半径一キロ以内のカメラ全てにハッキングををかけたとしか考えられないわ」
二班 班長の御堂 碧がミューズに言った。
「つまり情報収集にニューロの力は頼れないってことか
情報収集にも人員の派遣が必要ってわけかい」
やれやれという表情で一班 班長 イェーガーが言った。
「そうなるわね。出来る限りの協力はするけども過度の期待はしないで」
「殺害方法から考えられる犯人像は?」
ミューズが視線をエリックに向ける。
現場に行きまたカゲでもあるエリックならば何か気がつくはずだとミューズは思ったのだ。
「アマチュア、もしくはクルードな方法でしか仕事をできない馬鹿かのどちらかだ」
「根拠は?」
イェーガーが尋ねる。
エリックが手元にあるパネルを操作する。
スクリーンに襲撃事件の遺体、現場の映像が浮かび上がる。
「腕を力任せに引きちぎった傷。
頚動脈は噛み千切られている。
班員を掴み壁に叩きつけそれで殺せずさらにもう一度、強引に床にたたきつけてようやく止めを刺した血の跡。
さらに班員達は、全員、何らかの武器を持ち反撃の態勢に入っている。
襲撃犯は、奇襲、隠密ということを全く考えておらず正面から突っ込んでいる。
全てが力任せ。
アマチュアか馬鹿の仕業だ」
「しかしとんでもない馬鹿ですね。
裏社会の誰もが恐れる後方処理課の拠点を真正面から襲うなんて」
「頭のねじが三本ぐらい飛んでるサイバーサイコかもな。
イワサキあたりにバリバリにチューンナップされて捨てられた類の」
「可能性としては考えられます」
「となれば対処としてはこちらも班員を集めその馬鹿を見つけ出し葬るくらいですか」
ミューズの意見に美沙が首を振った。
「面白くないわね」
「と言うと?」
「我々を狙ってきてる相手にわざわざ班員を集めてやることがね。
敵にしてみれば一網打尽のチャンスじゃない?」
「そうかもしれませんが三班の精鋭を集めれば万が一でもそんな事態に陥ることはないでしょう。ご自身がその力を一番、知っていると思いますが」
声はなんら変わりないがミューズの言い方にはどこか棘があるものだった。
「確かにそうだけどこちらも無傷というわけにはいかないでしょう。
出来る限り被害は減らしたいわ」
美沙は、そう言うと場は静まりかえった。
確かにこれ以上の人的被害は避けねばならない。
また襲撃犯を探し葬るために人員を割くことにより他の企業の襲撃に対抗する力が低下することが予想された。
そして襲撃犯を葬っても得るものは何もない。
「あの~」
おずおずとひよりが手を挙げた。
5人の視線がひよりに集る。
「それでしたら外部のスタッフを集めて対処させるというのはどうでしょうか?
これなら資金を出すだけで我が社から人員を割く必要もありませんし失敗しても被害をこうむることは極めて少ないはずです
それでだめなら改めてこちらの人員を割けばいいですし。
・・・と思うのですが如何でしょうか?」
最後は、自身なさげな声でひよりは言った。
美沙が班長三人を見回す。
三人とも頷く。美沙の意見に賛成のようだ。
「わかりました。今は、それが一番の方法のようね。
ひより。外部スタッフの召集から取りまとめはあなたに一任するわ」
「えっ・・・私がですか?」
「そう。あなたにこの件はあなたに任せる。そういうことよ。
あとエリック」
何だといいたげにエリックは、片眉をあげて見せた。
「あなたにもこの件の処理を任せます。
ひよりと共同で事に当たってください」
「つまり何かあったら責任は俺が取れと?」
「いいえ、責任は私が取ります。
今回、動かせる人員は極めて少ない。
ひよりにだけに任せるには正直、荷が重過ぎる気がします。
ですがあなたがいれば少なくとも戦力でこちらが劣ることはないでしょう」
くだらんといいたげにエリックは鼻を鳴らした。
「まぁ、いい。邪魔になるようなら斬り捨てるがいいな」
「ええ、そのあたりの判断は任せるわ」
「あのー、今、すごいことをさらりと流しませんでしたか?課長」
エリックは立ち上がると背を翻し会議室から出て行った。
「ひよりちゃん?」
「はい?」
美沙の問いかけにひよりは、首を傾げる。
「エリック、もう仕事にかかるつもりのようだけど?」
「エー!言った先から私、捨てられるじゃないですか!」
ひよりは、慌てて立ち上がりどたばたと会議室から出て行った。
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