はいず 5 えらんど日記とTRPGとWCCFに三国志大戦のブログ
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N◎VAのはしりがき その7
2秒とはいかなかったが10分とは経ってない。 スラム街にある後方査察部3課の拠点が襲撃を受けたという連絡を受けてからヘリをチャーターし現場上空までの駆けつけた日向 ひよりのそれが感想だった。 ヘリのドアが開き夜風が入り込んでくる。 その冷たさに思わずひよりは、身震いする。 ひよりの隣に座っていた男が立ち上がり開いたドアに向かう。 「副課長、お気をつけて」 振り返ることも返事をすることもなく千早重工後方査察部副課長エリック・ウェインは、ドアから一歩、足を踏み出す。 重力に引かれエリックの体は、落下する。 夜風に獅子の鬣を思わせるエリックの髪がなびく。 2秒後、エリックは、音もなくビルの屋上に降り立った。 それを確認しへリは、ビルの屋上から離れる。 エリックは、懐からピストルを取り出し足音も立てず非常階段に向かう。 壁に背を張り付き2秒、周囲に人の気配がないか探る。 気配がないと確認しドアを蹴破り非常階段へ向かう。 まずは、鼻につく匂い。嗅ぎ鳴れた血の匂いだ。 硝煙の匂いは、しない。 目に飛び込んできたのは壊れた人形のようになった人間。 片手は、肘から先がなく断面は、ささくれだっている。 強い力で引き千切られたようだ。 その顔は、恐怖に歪んでいる。 裏社会では、その名を知られた千早重工後方査察部第三課の要員がだ。 息がないのは一目で見て取れた。 エリックは、非常階段を降り部屋の中へと入っていった。 そこは、酷い有様だった。 まるで子供がかんしゃくを起しおもちゃ箱をひっくり返しあちこちにおもちゃを投げつけたかのようなだった。 そのおもちゃが生身の人間であることが以上であった。 壁は、言うに及ばず天井まで赤くそまっている。 屈強でしられた企業戦士たちは、誰一人として生きてはいなかった。 エリックは、周囲に敵がいないことを確認しIANUSの通信回線を開く。 「生存者は、いない。敵も撤退した後だ。すぐに事後処理に当たれ。 証拠を残すな」 「せ、生存者は、いないって・・・。副課長」 「俺は、命令を下した。二度は言わん」 「・・・了解しました。すぐに事後処理にあたります」 「俺は、これから本社に戻る。屋上にヘリを回せ。 それと課長と一班、二班、三班の班長を招集しろ。 戻り次第、会議を行う」 「了解しました」 エリックは、通信を切り屋上へと戻る。 襲撃は、これで三件目だ。 明らかに敵は、千早重工を狙ってきている。 戦いはすでに始まっていた。 敵は、排除する。それも徹底的に容赦なく。 それがエリックの仕事だ。 N◎VAのはしりがき その6
まだ空邪が千早の苗字を持っていたころ。 クッキーの缶を放そうとしない空邪に見かねた姉が言った。 「空邪、あまりクッキーばかり食べてるとご飯が食べられなくなるわよ。こっちにわたしなさい」 そう言ってクッキーの缶をとりあげようとするしたが空邪はがんとしてクッキーの缶を放さなかった。 姉の言うことなら素直に聞く空邪にしては珍しく反抗したのだ。 「空邪、お姉ちゃんのいうことが聞けない?」 腰に手を当ていかにも怒ってるのよと態度で示す。 空邪はいやいやと子供のように首を振り言った。 「食い物、渡すと食べられる。それはいや」 スラム街の過酷な環境で染み付いたものだった。 食い物がいつもあるとは限らないスラム街で暮らしていた空邪にとって食べ物を誰かに渡すということは、考えられないことなのだ。 今日、持ってる食べ物が明日もまた得られるとは限らない。 それだけに食べ物への執着が強い。 一度、得た食べ物を渡そうとはしない。 強引に奪おうとしたなら抵抗するという気配がありありと伝わってくる。 生死を分かつのだから当然といってもいい。 「じゃあ、空邪。それを渡してくれたら毎日、朝に3枚、夜に4枚、クッキーをあげるわ。 どう?」 空邪は、いやいやと首を振った。 姉は、しばらく考え込み再び言った。 「じゃあ、朝に4枚、夜に3枚ならどう?」 「・・・・それならいい」 そういうと空邪は、クッキーの缶を姉に差し出した。 クッキーの缶を受け取ると姉は空邪の頭を撫でた。 空邪は、大人しくされるがままにしていた。 「でもまさか故事どおりになるなんてね」 「ねーちゃん、故事ってなんだ?食えるのか?」 「いいえ、何でもないわ。そうだ、空邪。お昼ご飯は何が食べたい?」 「肉!」 「じゃ、ハンバーグでも作りましょうか。空邪、いらっしゃい」 キッチンに向かう姉の後ろを空邪は子犬のようについていった。 N◎VAのはしりがき その5
千早 冴子は、事件の状況を映したディスプレイに目をやった。 しばらく考えた後、この事件を解決するのに適任の巡査を呼び出した。 2秒後、煙草を咥えライダースーツに身を包んだ男が冴子の前にやってきった。 男の名は、鳳翔 刻。ブラックハウンド機動捜査課の巡査である。 「で、任務は?」 「あなたにやって欲しいのはこれよ」 冴子は、ディスプレイを鳳翔に向ける。 「新宿インペリアルパーク連続動物失踪事件?」 読み上げた後、鳳翔があきれたように紫煙を空に吐く。 「SSSにでもやらせろよ、こんな事件。ブラックハウンドが出張るような事件じゃねぇ」 「鑑識の結果では、失踪した動物は、襲われた可能性が高いわ。 襲った動物は、中型の猿もしくはそれに類するもの・・・つまりヒルコの可能性が高いわ。 今は動物ですんでいるけど次は、人間を襲うかもしれない。 だからこれはブラックハウンドの仕事よ」 「ヒルコが相手かよ。めんどくさい相手だなぁ。 俺より他に適任がいるんじゃないか」 「いいえ。あなたが適任よ。 理由は三つあります。 一つ目は、あなたがバイクという機動力があること。 二つ目は、あなたがショットガンを使い足の速い相手でも手傷を負わせることができること。 そして三つ目は、今日は木曜日だからよ」 鳳翔は、再び紫煙を吐き出した。そして面白そうに笑った。 「そりゃクルードすぎるぜ、課長。年がばれるぜ?」 「別に隠してもないけど。公式プロファイルにも載ってるわよ」 「そういう理由なら二時間で解決してこいってか?」 「二時間後に未解決事件送りってこともありえるわね」 「ま、そうならないようにやってみるさ。じゃいくぜ」 鳳翔は、そう言うと適当な敬礼をして部屋から出て行った。 鳳翔がでていったのを見届けてから冴子は、椅子に体重を預けて呟いた。 「まさかとは思うけどね・・・」 彼女の明晰な頭脳は、ある可能性を思いつきそしてそれが低い確率ではないことを否定できないでいた。 その時、冴子の課長席にある電話が鳴った。 電話を取るとそれは生活安全課からの電話だった。 N◎VAのはしりがき その4
「おっちゃん、火貸してくれ」 声ともにドアが勢いよくあいた。 プロレスラー フレッド・バーグの家ではよくあることだ。 ドアから入ってきたのは、一度みたら二度と忘れないような特徴的な少年だった。 日に焼けた褐色の肌、唇から覗く鋭い犬歯、野生的な印象を与える顔そして裸足。 少年の名は、空邪という。 「構わんが・・・今日は何を捕まえてきたんだ?」 「大きな鳥だ!いっぱい食べれるぞ」 その言葉どおり空邪は片手に大きな鳥を引きずっていた。 引きずってここまで持ってきたらしく羽が汚れきって元の姿がどんな鳥だったかわからなくなっている。 「ダチョウ・・・か?」 フレッドは、引きずってる鳥をしげしげと眺め記憶を辿り言った。 「どうでもいいから早く焼こうぜ」 「わかった。ちょっと待ってろ。切り分けんとそのサイズは焼けんぞ」 「ん、切ればいいのか?俺が切る」 そう言うと空邪の手の爪が伸びた。 まるで猫の爪のようだった。 そして無造作にざくざくと鳥に手を突っ込みぶちぶちと乱暴に切り分けていく。 10分後、フレッドの家から肉を焼くいい匂いが漂ってきた。 食卓の上には鳥の骨が散乱していた。 「ちょっと堅かったが美味い肉だったな」 「ん、いっぱい食えた。満足」 空邪は、満足そうにぽんぽんと腹を叩く。 「そういやお前のところに案内はいったか?」 「案内?」 「キング・オブ・バイパーズの案内さ」 フレッドがポケットロンの画面を示す。 空邪が画面を覗き込む。 「バイパーズのランカーが集りワンデイトーナメントを行うってのがキング・オブ・バイパーズさ」 「ふーん。で、何でるのか?」 「優勝したら賞金がでるみたいだな」 「金ならいらね」 空邪は、興味をなくしたのか画面から目を離した。 「そうか。お前がでるなら面白い戦いがまたできると思ったんだがな」 「遊びたくなったらでる」 そう言うと空邪は、フレッドの部屋から出て行った。 N◎VAのはしりがき その3
バーにて二人の男が向かいあっていた。
一人はミラーシェードをかけている。 もう一人は巨漢。 背は高く体は鍛えてると一見してわかるほど分厚い。 第一印象は山を思わせる男だ。 「ターゲットはこの男だ」 ミラーシェードをかけた男が巨漢に向かって写真を滑らせる。 写真には赤い髪の毛が印象的な男が写っていた。 「名は、マキシマム・揚。夏王朝の禁軍武術師範だ」 「相手にとって不足はない」 巨漢が答えた。 「だが俺には暗殺はできん」 「いや、これはあんたにしかできない仕事だ」 ミラーシェードの男が口元を皮肉げに歪ませた。 「チャイニーズは、執念深い。 奴らの身内が殺されたなら墓を掘り返してでも復讐する。 それが奴らの伝統という奴だ。 だがこの場合、伝統が仇となる。 特に禁軍武術師範ともなれば武術界の伝統を背負ってると言ってもいい」 ミラーシェードの男が手元に置いてあったグラスをつかみ一気に空にする。 「だからこれはあんたにしかできない仕事だ。“88”」 |
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